いったん耳が慣れればリスニング能力は低下しないのだ。はたしてというべきか、再びTOIECに挑戦した彼の成績は前回よりもかえって下がった。文法は15点アップしたが、リスニングは前回を20点も下回ったという。「先生の方法をやめたのだから、リスニングの点数が下がったのは自分でも納得できます。でも、あれだけ一生懸命勉強したのに、文法とリーディングでたった三問しか正解をふやせなかったのは、ほんとうに悔しいです。どうせ下がるんなら、あんなに勉強するんじゃなかった……」「問題を解いているとき、確信があった?これ以外に正しい答えはないという」「いいえ。文法はほとんど当てずっぽうで書いていたくらいです。そんなにむずかしい問題じゃなかったのに……」「それがまさに、暗記中心の言語学習の盲点さ。勉強しているときに感じる達成感と実際の達成度に大きな差が出てしまう。いわばそれはプロセスほどには結果が出ない方法なんだ。